介護職員等の医療行為の経緯

介護保険制度が始まる前は、医療行為は主に医療機関で行われて

いました。医療機関には当然医師がいます。医師の指示のもとで、

看護師などが医療行為の一部を実施しています。

保助看法という法律のもとで「診療の補助」として医療行為の一部

が看護職(看護師、准看護師)には認められています。


*在宅の場合は家族にも医療行為の一部が認められています。


介護保険制度が始まり介護職員等の需要が高まりました。

医療機関以外の施設(特養など)や在宅での療養も多くなりました。

そういうところでは医師や看護職員が常時滞在することは、現実的

には難しいため、不在時の対応が議論されるようになりました。

特に緊急性を必要とする痰の吸引が問題になりました。

特養では看護職員との明確な線引きがなされないまま、現場は混乱

が続いていました。

又、在宅では痰の吸引が介護職員等には認められない時期もあり、

家族の負担は軽減されないとう矛盾も出てきました。

法律で守られていない介護職員等が必要性や緊急性を感じても、

看護職員や家族以外は出来ないという現実的でない問題が出てきま

した。その為、当面やむを得ない措置として、実質的違法性阻却論

により在宅での介護職員等にも痰の吸引の一部の医療行為が一定の

条件のもと認められるようになりました。

さらに「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り

方に関する検討会」を開き、様々な議論を重ね、平成24年4月1日

から法制度の下で、痰の吸引などの医療行為の一部が実施できる様

になりました。



法制度下で介護職員等が実施できる医療行為

「社会福祉士及び介護福祉士法の一部を改正する法律」では、

介護職員などが実施できる行為としては、

「喀痰吸引その他の日常生活を営むのに必要な行為であって、

 医師の指示の下に行われるもの」 とされています。


具体的な内容が以下になります。

◎喀痰吸引

口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内部


◎経管栄養

胃ろう、腸ろう、経鼻経管栄養


*一定の条件の下で、上記の行為を実施することができます。


続きはこちらです→ 介護職員等の医療行為実施の為の条件


■参考・引用文献

インターネット

厚生労働省HP内

「喀痰吸引等(たんの吸引等)の制度について」

//www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/tannokyuuin/index.html

「社会福祉士及び介護福祉士法の一部を改正する法律の施行について」

//www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/tannokyuuin/dl/2-4-3.pdf

「平成24年度喀痰吸引等指導者講習事業第三号研修(特定の者対象)

喀痰吸引等指導者マニュアル」PDF p12

//www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kaigosyokuin/dl/manual_all.pdf

「介護保険制度改正の概要及び地域包括ケアの理念」PDF p28

//www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001oxhm-att/2r9852000001oxlr.pdf

「介護・高齢者福祉」

//www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/